第262章 もう人前に出られないわ!

「後で座りましょう。先に着替えてきて」

「まだ着替えるの?」

鈴木月瑠は心が折れそうになった。

トニー先生は説明した。「まだメイクもしていないし、スタイリングも完全には終わっていません。最後にイブニングドレスに着替えます」

ああ。

それならいい。

メイクは早く終わった。実はトニー先生がどうしていいか分からなかったからだ。

彼らはトップスターのために専門的にサービスを提供していて、数え切れないほどの顔立ちを見てきたが、鈴木月瑠のような、骨格の美しさ、一目見て魅了され二度見ると魂を奪われるような美しさは、本当に見たことがなかった。

月瑠にファンデーションを塗ろうと思っても、塗ってしまうと月瑠本来の肌の方が綺麗に見えてしまう。

コンシーラーを使おうとしたが、彼女の肌には毛穴すらなく、ただ繊細な表情があるだけだった。