第299章 人が見つかった

「これが原因で、彼女が怒って返信をしないのかしら?」中村楽は推測した。

今時の女の子は甘やかされて育っているから、わがままなのも仕方ない。

「私も最初はそう思っていた」

斉田あきひろは頭を抱えながら言った。「家に帰ったら、彼女が食材を買っておいてくれていたんだけど、もう帰ってしまっていて、しかも流しの水が出しっぱなしで床が水浸しになっていた。急いで出て行ったんだと思う。私に何も言わずに」

伊藤哲と中村楽は様子がおかしいことに気づき、前者が斉田あきひろに尋ねた。「その後、彼女に電話したとき、つながらなかったの?それとも一度つながって、その後電源が切れたの?」

「最初は電話がつながったんだけど、誰も出なかった。何度もかけ続けて、深夜近くになったら電源が切れていた」

斉田あきひろの感情が崩れかけ、中村楽と伊藤哲の前でもう一度彼女に電話をかけた。