第297章 美人は災いの元!

「みなさんがここにいらっしゃるので、一つお聞きしたいのですが、月瑠はまだ婚約していないですよね?私の息子のことはみなさんもご存知かと思いますが、総合的な条件も良く、月瑠とも相性が良いと思います。才子佳人というやつで、私としては、ご家族との縁を深めたいと思っているのですが」

彼は鈴木剛士と白石思曼の様子を窺っていた。鈴木大御爺さんは書斎にいて、この話は聞こえていなかった。もし聞こえていたら、また大騒ぎになっていただろう。

一橋しんていは、鈴木剛士は大御爺さんほど抜け目がないわけではないので、騙せる可能性があると考えていた。

「鈴木君と奥様は、いかがお考えでしょうか?」

彼は元々鈴木剛士とはビジネス上のライバルだったが、今回は厚かましくも笑顔で話しかけていた。

自分でも気味が悪いと感じていた。