本来基地の情報漏洩の時、彼が責任を取るべきだったのに、牧野民がそう言ったからには、基地に何か損失があっても、もう彼には関係ないということになった。
牧野民は桂少佐を横目で見て、もう何も言わなかった。
彼は桂少佐の考えを知らないはずがない。でも、うちの月瑠様が出てくれば、一人で十人分の働きをする。後でお前の顔に泥を塗ってやるぞ。
……
午後三時、飛行機は関西国際空港に着陸した。
別荘からは既に中村少華を迎えに人を派遣していて、運転手は車のドアを開けて中村少華を招き入れた。
中村少華が身を屈めて乗り込もうとした時、何かを思い出したように運転手に言った:「お前は先に帰れ。私が運転して帰る。」
運転手:「???」
一方、中村静加はこの時になってようやく中村少華が帰国した理由を察し、彼が京都に到着する時間を計算して電話をかけた。