第310章 診察

鈴木月瑠は説明しようとした。「お爺ちゃん、気にしないで。私は滝のお爺ちゃんの家に診察に行くの」

お婆さんは月瑠を笑顔で見つめていた。可愛い孫娘がこんなに綺麗に育ったから、外にはきっと気になる人がたくさんいるはず。お爺さんがそう思うのも無理はない。

そう考えながら、お婆さんはお爺さんの言葉に続けて言った。「月瑠、あなたはまだ小さな女の子なのよ。ネット恋愛なんて考えないで。この大家族を養っていかなきゃいけないのよ。ネット恋愛は信用できないわ！」

一方、鈴木大御爺さんも涙を数滴こぼしながら、厳しい表情で机を叩いたが、可愛い孫を怖がらせないように、力を抑えめにした。「そうだ、じゃないとインターネットを切って、外出禁止時間を午後1時までにするぞ！」

元々月瑠は毎日1時まで寝ているのに、外出禁止時間が1時までになったら、永遠に外出できなくなってしまう！

月瑠は二人のお年寄りの動揺を理解し、静かにため息をつきながら、池田滝とのチャット音声を再生した。「嘘じゃないの。本当に滝のお爺ちゃんの家に行くの」

「うちからそんなに遠くないわ。車で1時間で着くの」

1時間でも遠くない？

近いという概念が間違っているんじゃない？

ちょうどその時、池田滝が月瑠を迎えに来たので、月瑠は滝を引っ張ってきて、大御爺さんとお婆さんの方を向いた。「ほら、私が嘘をついていないでしょう」

池田滝：「？？？」

鈴木大御爺さんの心配は半分ほど消えたようで、月瑠に手を振った。「じゃあいいよ。午後は早く帰ってくるんだぞ。さもないと、これからは外出禁止時間を1時までにするからな」

車に乗ってから、月瑠はまだMx研究室のグループでメッセージを送りながら、優しい声で池田滝に言った。「お爺さんの状態について話して」

池田滝はハンドルを回しながら、ゆっくりと話し始めた。「僕のお爺ちゃんは今年も70歳を超えてるけど、端午の節句の前までは体調良くて、朝のジョギングもできてたんだ」

「でも端午の節句の後から、体調を崩し始めたんだ」

「最初は食欲不振と意識朦朧だけだったんだけど、その後だんだん痩せていったんだ」

「あの時期、僕は月瑠姉とA市にいたから、詳しい状況は分からなかった。帝都に戻ってから、お爺ちゃんを診察したけど、原因が分からなくて。月瑠姉も忙しかったから、ずっと言い出せなかったんだ」