第372章 死んでも許さない!

「私はもう片足を棺桶に入れているようなものだ。たとえ体調を整えても、長くは生きられない」

曽我様は箱を持って鈴木月瑠の前に来て、印鑑を月瑠に渡しながら言った。「以前は私の私心があって、この印鑑を滝に残したいと思っていた」

「でも、ずっと彼に渡さなかったのは、彼が遊び好きすぎて、才能はあるものの、大任を任せられないと思ったからだ」

池田滝は若き天才だったが、おそらく池田家の長男ではないせいで、池田家のご家族は滝を甘やかしすぎ、それが遊び好きな性格を助長してしまった。

本来なら池田滝は医学の分野で成果を上げており、曽我様は彼が日本医学研究所か、MX研究医学院に入ることを望んでいた。

しかし、これだけの年月が経っても、池田滝はまだあちこち放浪して、落ち着きがない。

今回、曽我様が突然重病になり、危機感を覚えた。自分はあと数年しか生きられないかもしれないが、国内の学術界は停滞している。