第400章 最大のスキャンダル

遠藤信之も困ったように眉間を揉みながら言った。「送って行くよ」

鈴木月瑠は一橋貴明を見て言った。「お兄さん、行きましょう」

一橋貴明「……」

がっかりしていた遠藤彦は、その呼び方を聞いて、途端に機嫌が良くなった。

その物憂げな色目も艶やかになった。

彼は鈴木月瑠を見上げ、優しい声で言った。「そういえば、月瑠ちゃんとまだLINEの友達になってなかったね。友達になろう?」

そう言って、LINEを開き、期待に満ちた目で鈴木月瑠を見つめた。

鈴木月瑠は呆れて額に手を当てた。「……私のQRコードを読み取ってください」

遠藤彦はQRコードを読み取り、鈴木月瑠のアイコンを見て、途端に笑顔になった。「これは月瑠ちゃんの子供の頃の写真?」

そう言いながら、アイコンを保存して、暗号化されたアルバムに入れた。

鈴木月瑠は遠藤彦が写真を保存する様子を見て、眉を上げた。「……ええ」

「月瑠ちゃん可愛いね。また遊びに来てね」遠藤彦は愛らしい月瑠ちゃんの写真を見ながら、口元の笑みを深めた。

鈴木月瑠は頷いた。「はい」

……

車に乗ってから、一橋貴明は鈴木月瑠と話そうと思ったが、彼女は疲れて眠ってしまった。

彼は仕方なく眉間を揉み、毛布を取って鈴木月瑠にかけ、彼女の手を握った。

二人の握り合った手を見て、一橋貴明は眉を上げ、スマホを取り出して写真を撮った。

今回は、SNSに投稿しただけでなく、Twitterにも投稿した。

Twitter開設以来、初めての投稿だった。

一橋貴明V:jpg。

余計な言葉はなく、ただ鈴木月瑠と手を繋いだ写真、逆光で撮影された非常に幻想的な一枚だった。

写真を投稿するや否や、一橋貴明の女性ファンたちは一斉に発狂した。

——【うぅ、失恋した。旦那様は他人のものになっちゃった!】

——【恋は終わった!】

——【顔は?鈴木月瑠さんの顔が見たい!一橋社長ケチすぎ、月瑠さんの顔を見せてくれてもいいじゃない?】

——【きゃーー!恋の香りがする!】

——【これが噂の傲慢社長と可愛い奥様ってやつ?フォローしました!】

とにかく、良いコメントには全て一橋貴明が「いいね」を付けたが、コメントが多すぎてTwitterがパンクした。

トレンド入りした。

#一橋グループ社長が堂々と愛を表現#