「同じ言葉を二度繰り返すのは好きじゃない」鈴木月瑠は包帯を巻いた手のひらを見下ろし、その整った眉目には殺気が漂っていた。
死体の山を越えてきた小春沙耶でさえ、鈴木月瑠の威圧感に震え、少し躊躇してからチップを取り出した。
高性能なチップで、金属感が強く、小春沙耶がパスワードを入力すると、冷たい機械音が響いた。「パスワード認証完了、チップ起動します」
鈴木月瑠は口角を少し上げた。
なかなかすごい、ハイテクだな。
「これが若君の連絡先です」小春沙耶は鳳古平の連絡先を表示させ、チップを鈴木月瑠に渡してから退出した。
チップは鈴木月瑠の手のひらの半分ほどの大きさだが、小さなディスプレイがあり、機能は充実していて、外部からのあらゆる干渉を遮断できた。
鈴木月瑠は無表情のまま、直接鳳古平に連絡を取った。