IFデザインコンテストの当日。
三木清スタジオのデザイナーが鈴木月瑠をコンテスト会場に同行した。
鈴木月瑠はマスクとキャップを着用し、綺麗な目元だけを見せていた。
今回、静墨も審査員を務め、彼女は鈴木月瑠の後ろを歩いていた。薄い青のワンピースを着て、優しく上品な雰囲気で、しなやかな体つきを際立たせていた。
鈴木月瑠と静墨以外は全員付き添いとして来ていた。
人数は少なく、四人だけだったが、堂々とした雰囲気を醸し出していた。
ボディーガードが先頭を歩き、記者たちも近づく勇気がなかった。
記者の一人がスクープを狙って、小柄な体を活かして中に押し入ってきた。
「Fの神様、これまでコンテストに出席されなかったのに、今年はQueenのために来られたのですか?」
その言葉を聞いて、鈴木月瑠の足取りが少し遅くなり、優雅な様子で、美しい目元でその方を見つめ、ゆっくりと頷いた。
「Queenは、私の姉よ」鈴木月瑠は淡々と言い、手でキャップの庇を少し上げ、半分隠れた目元が白く輝いていた。
女性記者は目を見開いた。
デザイナーたちも一様に驚いた表情を見せた!
Queenは...Fの神様の姉?本当の姉妹なの?
このコンテストはライブ配信されており、鈴木月瑠の発言は即座にネット上で大きな波紋を呼んだ!
——【すごい!Queenが Fの神様の姉だったなんて!これはなんという神仙コンビ?姉は国際的に有名で、妹は国内デザイン界を制覇?】
——【Fの神様かっこいい!姉妹が並ぶところが見てみたい!】
——【鈴木家のお嬢様は以前、Queenを知っていると言っていたけど、今日は来ていないみたいね。ふん、厚かましい女!】
——【皆さん、Fの神様のクールな歩き方や雰囲気が、鈴木月瑠さんにそっくりだと思いませんか?】
——【上のやつ死ね!】
前回、国が鈴木月瑠の味方をして以来、どんなニュースでも鈴木月瑠に結びつけられるようになった。
鈴木家のハッカーは非常に有能だった。
鈴木月瑠の名前が出てくる記事で、少しでも悪意のあるコメントがあれば、即座にハッキングされた。
鈴木月瑠の目元は美しく、冷たい雰囲気を漂わせていた。
彼女はゆっくりと前に進み、クールな足取りで歩いていた。