第543章 デザインの夜

IFデザインコンテストの当日。

三木清スタジオのデザイナーが鈴木月瑠をコンテスト会場に同行した。

鈴木月瑠はマスクとキャップを着用し、綺麗な目元だけを見せていた。

今回、静墨も審査員を務め、彼女は鈴木月瑠の後ろを歩いていた。薄い青のワンピースを着て、優しく上品な雰囲気で、しなやかな体つきを際立たせていた。

鈴木月瑠と静墨以外は全員付き添いとして来ていた。

人数は少なく、四人だけだったが、堂々とした雰囲気を醸し出していた。

ボディーガードが先頭を歩き、記者たちも近づく勇気がなかった。

記者の一人がスクープを狙って、小柄な体を活かして中に押し入ってきた。

「Fの神様、これまでコンテストに出席されなかったのに、今年はQueenのために来られたのですか?」

その言葉を聞いて、鈴木月瑠の足取りが少し遅くなり、優雅な様子で、美しい目元でその方を見つめ、ゆっくりと頷いた。

「Queenは、私の姉よ」鈴木月瑠は淡々と言い、手でキャップの庇を少し上げ、半分隠れた目元が白く輝いていた。

女性記者は目を見開いた。

デザイナーたちも一様に驚いた表情を見せた!

Queenは...Fの神様の姉?本当の姉妹なの?

このコンテストはライブ配信されており、鈴木月瑠の発言は即座にネット上で大きな波紋を呼んだ!

——【すごい!Queenが Fの神様の姉だったなんて!これはなんという神仙コンビ?姉は国際的に有名で、妹は国内デザイン界を制覇?】

——【Fの神様かっこいい!姉妹が並ぶところが見てみたい!】

——【鈴木家のお嬢様は以前、Queenを知っていると言っていたけど、今日は来ていないみたいね。ふん、厚かましい女!】

——【皆さん、Fの神様のクールな歩き方や雰囲気が、鈴木月瑠さんにそっくりだと思いませんか?】

——【上のやつ死ね!】

前回、国が鈴木月瑠の味方をして以来、どんなニュースでも鈴木月瑠に結びつけられるようになった。

鈴木家のハッカーは非常に有能だった。

鈴木月瑠の名前が出てくる記事で、少しでも悪意のあるコメントがあれば、即座にハッキングされた。

鈴木月瑠の目元は美しく、冷たい雰囲気を漂わせていた。

彼女はゆっくりと前に進み、クールな足取りで歩いていた。