第603章 拷問を続ける

「鈴木次郎、もういい加減にしろ。自分を死に追い込むな」玄武は眉をひそめた。

鈴木静海は玄武の言葉を無視し、ゆっくりと取締部の組長に視線を向けた。

細長い鳳凰の瞳の奥には、血色と氷霜が混ざっていた。

取締部の組長は背筋が凍り、顎で取締部の長老たちに合図を送った。

すぐさま、長老たちは鈴木静海に対して四回目の拷問を始めた。

龍田へびでさえ見ていられなくなり、指先を握りしめながら尋ねた。「こんなに時間が経ってるのに、どうしてここまでやる必要があるんだ?」

鈴木静海は途切れ途切れに答えた。「彼女のこの恨み...晴らせなければ...俺たちには...可能性がない」

「中村楽の性格は確かに良くないけど、ここまでする必要はないだろう」

玄武は全身血まみれの鈴木静海を見つめ、イライラと眉をひそめた。「どうしてもダメなら、中村楽にユキヒョウの基地を爆破させて、他の方法を考えたら?」

「簡単すぎる。全然足りない」鈴木静海の声は嗄れ、喉には血が溜まっていた。

玄武は諦めきれない様子で「鈴木次郎様、少しは道理を聞いてくれませんか?」

鈴木静海は「無理だ」

彼女が味わった苦しみを、唯一体験してこそ、当時の彼女がどれほど苦しんでいたかが分かる。

「俺に恋人がいなくて良かった。いたら、きっと愛し合いながら殺し合うことになってたな」玄武は思わず壁を蹴り、心の中で苛立ちが収まらなかった。

鈴木静海は「……」

彼は取締部の数人を見て、淡々とした口調で言った。「続けろ」

取締部の数人は顔を見合わせ、その後数人が進み出て鈴木静海を支え上げ、電気棒を取り出して直接彼の腹部に打ち込んだ。

鈴木静海の瞳は血走り、瞳孔は開いたままだったが、一切声を出さなかった。

龍田へびと玄武は何も言えなかった。

一時間続けて拷問を行い、鈴木静海は途中で何度も血を吐いたが、気を失うまいと踏ん張っていた。

最後には、鈴木静海に神経を刺激する薬物を注射する段階となった。

組長が直接鈴木静海に注射をした。

彼は自分の月瑠姉の実の弟の蒼白な顔を見て、言った。「次郎様はこの薬を打ったことがないはずです。初めての注射なので、かなり強い反応が出るでしょう」

「ああ」

鈴木静海は頷き、組長に注射するよう指示した。