鈴木月瑠は面倒くさそうに住所を見て、口角が引きつった。
これは遠藤家じゃない?
遠藤音美が注文したの?
鈴木月瑠は突然舌打ちをして、指先で画面をタップした。
遠藤信之は横を向いて彼女を見た。「包装して送るのを手伝おうか?」
「いらない」
鈴木月瑠は意味ありげに口角を上げ、目尻に艶やかな光を宿しながら、ゆっくりと言った。「池田滝に任せればいいわ」
池田滝はまぶたを少し持ち上げた。「……」
その後、WeChatで住所を受け取り、開いて見た。
あー……
池田滝は顔を上げて鈴木月瑠を見つめ、からかわれたような表情を浮かべた。
「ちゃんと送ってね」鈴木月瑠は彼の肩を軽く叩き、巻かれた巻物を池田滝の手に渡した。
池田滝は口角が引きつり、呆れ果てた様子だった。
遠藤信之は何事もないかのように口を開いた。「東京書道協会で級別コンテストがあるんだ。S級を取れば書道大会に参加できて、賞金もかなり良いらしい」