「このウェイボーを見てみて」鈴木月瑠はゆっくりと口を開いた。
中村楽は眉を上げ、そのスクリーンショットを開いた。
中村霜がウェイボーを投稿していて、IFデザインコンテストの招待状の写真が添付されており、彼女の作品がノミネートされていた。
「あいつにそんな資格があるの?」
中村楽は目を細めて笑い、ウェイボーを開いて中村霜の投稿を探した。
コメント欄は一様に追従的な内容ばかりで、その様子は明らかに水軍を雇ったものだった。
つまらない。
IFジュエリーデザインコンテストに招待される華人は少なく、中村霜は初めてのノミネートだった。これまでは三木清スタジオのデザイナーが多くノミネートされていた。
毎回のコンテストで、三木清スタジオのデザイン作品は必ずノミネートされていた。
主催者は毎回、F神とQueenを審査員として招待していたが、鈴木月瑠と中村楽は行く気が全くなかった。
今回はパリだ。
中村楽は唇を噛んで「遠いわね、行きたくないわ」と言った。
鈴木月瑠は「……」
彼女は目を伏せて「じゃあ、主催者に連絡して、コンテストの場所を帝都に変更してもらおう。そうしないと私たち二人とも行かないって」
「それは少し無理があるんじゃない?」中村楽は口角を引きつらせた。
鈴木月瑠は目が静かな池のように穏やかで、淡々とした口調で「面白くないの?」
中村楽は目を細めて笑った「そうね」
彼女はQueenスタジオの小グループを開き、画面をタップしながら:【IF主催者に連絡して、パリは遠すぎるって伝えて】
Queenには10人のデザイナーと50人のスタッフがいた。
みんなは中村楽のこのメッセージを見て、一瞬固まった:【え?飛行機で行けばすぐじゃないですか?】
中村楽:【私は帝都にいるし、飛行機に乗るお金もないわ。主催者に連絡して、コンテストの場所を帝都に変更してもらって。そうしないと行かないから】
一同:「……」
世界的な一流デザイナーのQueenが飛行機代がないなんて言うなんて、誰が信じるだろう?
一同:【分かりました、連絡してみます】
「中村霜のあのレベルでノミネートされるなんて、私への侮辱じゃない?」中村楽は美しい瞳を細め、目に冷たい光を宿した。
彼女は大学でデザインを副専攻していて、中村霜も彼女から学んでいた。