鈴木月瑠は遠藤母さんを可笑しそうに見つめ、目の奥に冷たい光を宿して言った。「彼女は私の姉なの?彼女は自分が私の弟子だと言ったんじゃなかった?」
「あなたは…」遠藤母さんはすぐに言葉に詰まった。
遠藤音美はもう顔向けできず、顔を覆って逃げるように走り去った。
遠藤母さんは急いで後を追った。
会員の勲章まで取り上げられ、遠藤音美は怒りで顔色が青ざめたが、書協にこれ以上留まる勇気はなかった。
コンテストの賞金はすぐに鈴木月瑠のカードに振り込まれ、彼女はいつものように資金をいくつかの部分に分けて送金した。
一橋貴明は鈴木月瑠の髪を優しく撫で、目に笑みを浮かべて言った。「帰る?」
「食事に連れて行くわ」鈴木月瑠は眉を少し上げ、優しく微笑んだ。
小原舟は鈴木月瑠がまた手を振って走り去ることを恐れ、三歩を一歩にして追いかけた。「あの、月瑠姉、ミルクティーも買ってきたし、ついでに一緒に食事させてもらえないかな」
清水秋:「……」
小泉青山:「……」
小原舟がこんなに厚かましい姿は見たことがなかった。
しかしその後——
「私も易安上人の食事に便乗したい!」
鈴木月瑠は眉を上げて一橋貴明を見つめ、笑って言った。「この不肖の弟子たちを連れて、食事に便乗させてもいい?」
「いいよ」
一橋貴明は鈴木月瑠の手のひらを握りしめ、笑って言った。「次は二人きりで食事しよう」
鈴木月瑠はうなずいた。
一橋貴明はすぐに竹内北に個室を手配させ、二人は先に出発した。
小原舟は厚かましく食事に便乗した後、書協に戻った。
彼はスタッフ数人に声をかけた。「君たち、この二つの作品を表装して、貴重品保管室に持って行ってくれ。壊さないようにな」
そして、清水秋と小泉青山が小走りについて行った。
スタッフは小原舟が来たのを見て、驚いて椅子から飛び上がった。「会長!」
「この二つの書道作品を表装して、貴重品保管室の最前列に置いてくれ」小原舟は両手を背中で組み、その二つの作品を見た。
スタッフは急いで言った。「はい、すぐに審査を依頼します」
小原舟は手を振った。「何の審査だ、これは易安上人の真筆だぞ、君たちに審査する資格があるのか」
「え、易安上人?」