第692章 彼の家はとても裕福!

「こんなに騒ぎを起こして、結局はお金が欲しいだけなんでしょう?」

一橋諭知は背中の小さなリュックを開け、小切手を取り出して、軽く投げた。

「坊ちゃんはお金ならいくらでもあるんだ!」

小切手は冷たく鈴木小霜の顔に叩きつけられた。

鈴木小霜はひどく腹を立て、小切手を手に取って引き裂こうとした。

「はっきり言っておくけど、誰が小切手を破ったら、その人が五百万を出すことになる。どっちにしても、ママはあなたたちに何も借りていないわ!」

彼はそう言うと、デスクから飛び降り、おとなしく鈴木月瑠の腕の中に寄り添った。

オフィスにいた全員が呆然としていなければ、鈴木月瑠は自分が幻覚を見たのかと思うところだった。

諭知はいつも素直で可愛くて思いやりのある子だったのに、どうして急に...こんなに強気になったの?