第754章 殺人視線

「ほう?」

林可子は眉を上げ、思わず笑いそうになった。

「そんな言い訳まで見つけられるなんて、鈴木部長、あなたは本当にすごいわね!あなたは以前、大橋新民を誘惑してポリテク株式会社のマーケティング部長になり、今度は大橋新民が異動したから、一橋社長を誘惑しようとしているの?恥ずかしくないの?!」

この言葉が出ると、ロビーを通りかかる人々が次々と振り返った。

先日ポリテク株式会社で起きたスキャンダルは、ここにいる全員が知っていた。

あの事件はネット上で大騒ぎになり、その後、投稿に参加した社員全員が処罰され、多くの人が影響を受けた。

皆は投稿に出てくる大橋社長が誰かは知っていたが、不正な手段で出世した女性を知る人はほとんどいなかった。

林可子がそう言うのを聞いて、見物人たちはすぐに理解した。

「あぁ、彼女だったのか。確かに悪くない顔をしているね。大橋社長を利用して出世できるわけだ」

「きれいな顔をしているのに、どうしてこんな手段で一橋家に入ろうとするのかしら。私はこういう人が一番軽蔑だわ!」

「ねえ、みんな適当なこと言わないで。前回の本社からの処罰はまだ足りないと思う?」

「本社がなぜこんな人を守るのか本当に分からないわ。早く解雇すればいいのに、私たち一橋家の名誉に影響するわよ!」

周りの人々の議論を聞きながら、林可子の表情はますます傲慢になった。

二十数日前、彼女は突然解任されてマーケティング部に異動させられ、半月も眠れないほど怒っていた。

彼女はこれほど長い間頑張ってきたのに、突然現れた女に取って代わられ、怒らないわけがなかった。

以前はチャンスがなかったが、今日偶然ここで出会ったからには、何としても鈴木月瑠を徹底的に辱めてやるつもりだった!

林可子は冷ややかに鼻を鳴らした。「鈴木部長、あなたのような普通の大学を卒業して、たった一年の職歴しかない社員が本社に異動したいなら、少なくともあと二十年は頑張らないといけないでしょうね」

その言葉には、軽蔑と侮蔑が満ちていた。

鈴木月瑠は決して柔和な性格ではなかった。

以前は鈴木のご家族に踏みにじられることを甘んじて受け入れていたのは、彼女が鈴木家に多くの恩義があったからだ。

しかし、この元マーケティング部長ときたら、こんなに多くの人の前で彼女を辱めるとは?