第79章 一生懸命働いて私のために稼いでくれて

高倉国生は興奮で両手が震えていた。この秋山先生は某大物の正統な弟子で、若くして有能、国際的にも非常に有名で、提携している企業も全て国際的な大手だった。そんな彼が今、高倉グループと提携したいと言うのだ。高倉国生が興奮しないはずがない!

彼はあまりにも興奮していたため、傍らに立っている高倉海鈴の存在に全く気付かず、秋山を取り巻きながら上階へと向かった。秋山も丁度上階で用事があったため、高倉国生の取り入るような行動を拒まなかった。

10分後、高倉国生と秋山が上階から降りてきた時、高倉国生は高倉海鈴と、その傍らで涙を流し続ける高倉彩芽の姿を目にした。彼の怒りは瞬時に爆発した。

高倉海鈴のこの不肖の娘が、高倉グループまで来て彩芽をいじめるとは!ここが彼女の来れる場所だと思っているのか?!最も重要なのは、高倉国生は秋山が高倉グループとの提携を選んだのは、彩芽の潜在能力を見込んでのことだと考えていた。彼は彩芽のために高倉グループとの提携を承諾したのだと。