第182章 大丈夫、私がいるから

藤原徹は会社に行く必要があり、高倉海鈴は途中で降りて、直接クロシオ基地に資料を調べに行った。

基地は郊外にあり、人通りが少なく、監視カメラもないため、人目を避けるのに十分だった。

彼女が車を降りて路地に入ったとき、後ろから突然数人が現れた。

「この女!こいつだ!」

「彩芽を気絶させやがって、こいつに目にもの見せてやろう、彩芽の仇を取るんだ!」

高倉海鈴が曲がろうとした時、突然誰かに体当たりされた。壁に手をついて体勢を立て直したが、指輪が滑り落ちてしまった。

その直後、平手打ちが顔面に向かって飛んできた。

高倉海鈴は身をかわし、冷たい眼差しを向けた。

ここは行き止まりの路地で、逃げ場はなく、五人に前後を挟まれていた。

高倉海鈴は全員を見渡し、冷静に指輪を拾おうとした。