藤原涼介は顔色を変え、「何の権利があって?」と言った。
この香り亭は藤原家の資産ではなく、秋山家の資産なのに、なぜ彼らを追い出すのか?
支配人は冷ややかに言った。「お嬢様の邪魔をしたからです。」
数人が反応する間もなく、警備員たちが駆け寄り、一家を追い出した。
高倉彩芽はどこへ行っても注目の的だったが、こんなに嫌われたのは初めてで、顔が立たなくなり、全身が震えていた。
「香り亭のお嬢様って...聞いたことないわ!」
藤原のお母さんは大声で叫んだ。「離せ!なんてひどい店!客を追い出すなんて!きっと高倉海鈴のやつの仕業よ!」
藤原巌は彼女の態度を見かねて、手を上げて平手打ちをした。
「黙れ!香り亭から公然と追い出されたということは、今後どんなパーティーにも招待されなくなる。つまり新規顧客と知り合うことができなくなる。会社にとってどれだけの損失か分かっているのか?」