競売人「一億五千万円が一度目、一億五千万円が二度目――」
八尾秋野は得意げに、ますます傲慢になって「お姉ちゃん!見てよ、彼女怖気づいたでしょう?見栄を張ってるだけよ!お金もないくせに金持ちのふりなんて!笑わせる……」
「二億円!」高倉海鈴が突然口を開いた。
八尾秋野の言葉は途端に詰まった。
高倉海鈴はお茶を一口飲み、冷静に言った。「二億円で、このネックレスを頂きます。」
高倉海鈴のさらりとした声を聞いて、八尾秋野は深く嘲笑されたように感じ、激怒して叫んだ。「高倉海鈴!頭おかしいの?お姉ちゃんが競り落とそうとするものを全部横取りするつもり?」
「私が寄付するのはいけないの?八尾さんは随分お節介ですね。お姉様だけが寄付できて、他人は寄付できないとでも?」
八尾秋野は言葉に詰まった。