第330章 不妊不育になりますように

山下の奥様は直接携帯を取り出して写真を見せ、「皆さん、よく見てください。これは去年の8月に藤原若旦那が海鈴を連れて出席したパーティーの写真です。佐藤さん、もし海鈴が本当に第三者だったら、藤原若旦那が堂々と彼女を上流社会のパーティーに連れて行くでしょうか?」

「それに、私たち上流社会の者は高倉海鈴が藤原涼介の婚約者だということを藤原家から聞いたわけではありません。これは何年も前から決まっていた婚約なのです!」

写真の中で高倉海鈴は企業家たちと並んで立ち、淡い色のワンピースを着て、薄化粧で、落ち着いた様子でした。もし彼女が本当に第三者だったら、上流社会の人々が彼女と同じテーブルでビジネスの話をするでしょうか?

先ほどまで疑いを持っていた人々も、今では完全に信じました。高倉海鈴こそが藤原涼介の本来の婚約者だったのだと。

山下の奥様は高倉彩芽を冷ややかに見て、「これは寄付の式典ですよ。高倉彩芽さん、そのように男性に寄りかかるのは、少々不適切ではありませんか?」

田村の奥様は女性の手口を見慣れていて、冷笑いながら言いました。「男性の中にはそういう弱々しい女性が好きな人もいるわね。高倉彩芽さんは、あの不倫相手の母親から多くの男性を誘惑する手口を学んだようね。」

その時、群衆の中から驚きの声が上がりました。「さっき高倉彩芽が公の場で高倉海鈴を結婚式に招待したんですよ!」

この言葉に、会場は一気に沸き立ちました。

「なるほど!高倉彩芽は本当に計算高い女ね!海鈴の婚約者を奪っておいて、さらに海鈴の前で自慢げに結婚式に招待して、祝福まで求めるなんて!頭がおかしいんじゃない?」

東京大学の学生たちが次々と非難の声を上げました。「高倉彩芽は賢いわ。海鈴が来ないことを見越して、可哀想な振りをして逆に非難する。海鈴が面子を立ててくれないって。」

「それに田村の奥様も言ったように、上流社会の人々は皆、藤原涼介の本来の婚約者が高倉海鈴だったことを知っています。今、高倉彩芽に変わったということは、きっと何か考えるでしょう。」

「もし海鈴が結婚式に出席すれば、みんな海鈴と藤原涼介は円満に別れて、高倉彩芽とは何の関係もないと思うでしょう。そうすれば世間の噂も収まるわ。」

「高倉彩芽は姉の男を奪っておいて、さらに海鈴を第三者だと誣告するなんて、本当に恥知らずね!」