第339章 敵の敵は味方

高倉海鈴は眉を上げた。「あなたも調べたの?」

藤原徹は頷いた。「師妹、データを削除すれば私から隠せると思ったのか?」

高倉海鈴はくすりと笑った。

藤原徹は長い指でテーブルを軽く叩いた。「では、この八億円がどこから来たのか、もう分かっているはずだ」

高倉海鈴も非常に不思議に思っていた。彼女は静かに尋ねた。「藤原涼介の四億円は会社から出されたものよね。巨額の資金を流用するのは規則違反だけど、彼は社長だから、特に不思議なことじゃないわ」

海涼グループは彼女が一から立ち上げた会社だ。今は藤原涼介の手にあり、彼が四億円を流用しても、誰にも気付かれないはずだった。

でも高倉彩芽の四億円は……

高倉海鈴は疑問を感じた。「高倉彩芽が藤原明の口座からお金を流用したのよ。どうやってできたの?パスワードを知っていたの?」