「では、なぜ陸田の長女と仲が良いと言いながら、彼女が重病の時に見舞いにも行かず、むしろあなたの姉を死に追いやった山田莉央と親しくしているのか説明してください?」
「今や真相が明らかになり、山田莉央が間接的に陸田さんを死に追いやった犯人だと分かったのに、陸田の次女はまだ山田莉央と付き合い続け、彼女を弁護するつもりですか?」
衆人の軽蔑的な視線が陸田渚に注がれた。
山田莉央は無実で、優しい心の持ち主で、すべては藤原徹の過ちだと言ったのは誰だ?それは陸田の長女の実の妹、陸田渚だった!
陸田渚は山田莉央が陸田汐を殺したことを知っていたが、少しも怒りを感じなかった。なぜなら彼女はすでに真相を知っており、陸田汐の死を望んでいたからだ。他人が手を下さなくても、いずれ自分が陸田汐を殺すつもりだった。
陸田渚は顔色を曇らせ、周囲の疑惑と軽蔑の視線に身体を震わせた。
いや、だめだ!
せっかく築き上げた良い評判を、山田莉央のせいで台無しにはできない!
陸田渚は再び目を上げ、山田莉央を睨みつけた。
山田莉央は心臓が一拍飛び、恐怖に満ちた目で「陸田渚、何をするつもり...」
「姉さんを殺したのはあなたよ!」陸田渚は怒鳴って山田莉央の言葉を遮り、続けて非難した。「まさかあなたが姉さんを殺した犯人だったなんて。あんなに美しく優しい姉さんを、よくもそんな残酷なことを。私を騙して、これは全部藤原社長の意向だと言ったじゃない!」
この一言で全ての罪を山田莉央に押し付けた。
高倉海鈴は口元を歪めた。
藤原徹の真の身分を暴き、陸田の長女を殺した犯人を見つけるにはまだ多くの証拠が必要で、今はその時ではない。しかし山田莉央を追い詰めるには一本のビデオで十分だった。
彼らが手を下す必要もない。犬同士で噛み合えば、より面白いではないか?
陸田渚は鋭い爪が手のひらに食い込むほど、血走った目で言った。「私は...山田莉央に騙されたんです。彼女は藤原社長が姉さんを刺激したと、まるで本当にあったかのように話すので、当時私と父は会社の仕事で忙しく、姉の世話が疎かになっていたため、山田莉央の言葉を信じてしまったんです。」