第385章 藤原家の誕生日宴会

一方、藤原俊介は怒りながら部屋に戻り、山田莉央は急いで近寄った。「俊介、どうしましょう!みんなが進の実力は徹に及ばないって言ってるんです...」

「何を言う必要がある!進が勝てばそれ以外は関係ない!」

藤原俊介の目が優しくなった。「楓、辛い思いをさせてごめん。安心して、すぐに進の身分を正式に発表するから、そうすればもうあの悪名を背負う必要はないよ」

山田莉央は興奮して頷いた。「俊介、私は辛くないわ。あなたと一緒にいられるなら、どんな代償も払う覚悟はできてるの。それに陸田汐があまりにも面白みのない人だったから、あなたが好きになれなかったのも当然よ。私たちが一緒になるのは天命なの!」

「あなたは陸田家のために、彼女を家から追い出さずにいて、クズ男という悪名まで背負ってきた。でも進が戻ってくれば、もう誰もあなたを非難することはないわ。ただ...」

山田莉央は顔を曇らせた。「ただ、徹があんなに自信満々なのは、何か証拠を持っているからじゃないかしら。もし彼が自分が陸田汐の...だと証明できたら」

藤原俊介は眉をひそめ、心も一瞬揺らいだが、すぐにその不安は消え去った。

「証拠があったとしても、どうということはない。彼一人の言葉が私たち二家の言葉に勝てるとでも?」

「それに彼が見つけた『証拠』は偽造かもしれない。出してきても真実性はない。彼は権力も地位もあるんだ、証拠を偽造するのは簡単なことだろう。誰が彼を信じるというんだ?」

藤原俊介は得意げな表情を浮かべた。「陸田家は進が陸田汐の息子だと証明するだろう。陸田家が藤原徹の身分を認めないのなら、彼が証拠を出したところで何になる?」

山田莉央は悲しそうな顔を装った。「実は私も徹にこんなことをしたくないの。名目上は私が母親なのだから。でも陸田家が彼の身分を認めないのは、私のせいじゃないわ」

「気にするな。藤原徹は狂人だ!あの死んだ母親と同じように狂っている。どうせ私たちには進と明がいるんだ。家産を取り戻したら、藤原徹を家から追い出せばいい!」

山田莉央は頷き、陰険な笑みを浮かべた。

なぜ陸田家は陸田汐をあれほど嫌っていたのか。それは彼女が狂人で、狂って目も見えなかったからだ!