一夜にして、ネット上が大騒ぎになった。
まず、遠山初美と藤原財閥の確執が解消され、初めての協力関係を結び、藤原財閥が遠山初美の3年前のデザイン「夢回」を買い取り、次期シーズンの主力ジュエリーとして展開することになった。
一方、八尾夢子は優勝こそ逃したものの、彼女と遠山初美の弟子ジェイソンの作品がサニーデイの主力商品として生産されることになった。
そして最後の一件は……
朝方、高倉海鈴は騒がしい着信音で目を覚ました。
木村香織の焦った声が電話から聞こえてきた。「こんな時に寝てる場合じゃないでしょう!あのジェイソンが……八尾夢子と一緒にあなたを訴えるって!」
高倉海鈴は茫然とした表情で、頭の中はまだ混沌としていた。
木村香織は歯ぎしりしながら怒りを露わにした。「ジェイソンが、あなたがコンテストで優勝した作品は彼の以前のデザインの盗作だと言って、訴えると言ってるの!何てことを!もし彼がそんな完璧な作品をデザインできるなら、コンテストで負けるはずがないでしょう!」