第536章 ここは人里離れていて監視カメラがない

会場は静まり返り、久保真美は歯ぎしりするほど憎らしかった。この生意気な女め、認めようとしないなんて。

確かに彼女は意図的に高倉海鈴をここに誘い出し、罪を着せようとしたのだ。今や目的は達成されたのだから、高倉海鈴とこれ以上無駄話をする必要はない。

久保真美は頬と胸の痛みを必死に耐えながら、震える声で言った。「青山の奥様、もし私の言葉を信じていただけないのでしたら、防犯カメラを確認しましょう」

高倉海鈴を確実に陥れるため、彼女は事前に調査もしていた。この場所は人目につきにくいものの、防犯カメラが一台あり、ちょうどここを映せる位置にあったのだ。

今や大勢の目の前で、防犯カメラを確認さえすれば、高倉海鈴が姉を殴ったという罪は確定的なものとなるはずだった。

しかし、青山の奥様は嘲笑うように笑った。