「このエメラルドの指輪は高価なだけでなく、西村の祖母が真美にくれた記念すべき誕生日プレゼントなのよ。そんなものまで盗もうとするなんて、良心が痛まないの?久保家のお嬢様が身につけるものを、あなたが持つ資格なんてあるの?」
周りの人々が声高に嘲笑い、店員たちも興味深そうに集まってきた。
久保真美は唇を震わせながら、「海鈴、どうして...こんなことをしたの?まあいいわ、両親には言わないし、みんなにも口外させないわ」
「他のものなら譲ってあげられるけど、これは祖母からの誕生日プレゼントで、私にとってとても大切なの。もし欲しいなら、祖母に頼んであなたにも一つ贈ってもらうけど...でも、これからはこういうことはしないでね」
「あなたは久保家の娘なのよ。あなたの一言一行が久保家を代表しているのよ」