第685章 バラの心を賭けに

伊藤洋美は反応し、すぐに怒鳴った。「私の姉がどうして醜いというの?」

高倉海鈴は眉を上げた。この伊藤洋美も心の中では分かっているようだ。伊藤仁美さんの容姿は平凡で、ただ書生のような雰囲気があるため、上品で優雅な気質に見えるだけだ。

伊藤仁美は顔色を曇らせ、伊藤洋美は騒々しく言った。「無駄話はいいから!賭けるの、賭けないの!あなたたちが負けたら、この女のネックレスを貰うわ!」

高倉海鈴が身につけているネックレスは夏目秋の遺品「バラの心」で、以前西村奥様が来た時に、このネックレスを身につけるように言い付けていた。

伝説によると、バラの心には亡くなった親族の魂の一片が残っており、着用者が危険に遭遇した時、この最後の魂が無事を知らせることができるという。西村奥様は夏目秋の御霊が必ず海鈴を守ってくれると信じていたので、高倉海鈴にこのネックレスを必ず身につけるように言ったのだ。