高倉海鈴は藤原徹の腰に手を回し、甘えるように言った。「徹~私も行きたいの!」
藤原徹は暫く黙っていたが、微かに笑みを浮かべた。「行きたいなら代価を払わないとね。藤原奥様が僕にお願いすれば、連れて行ってあげるよ」
高倉海鈴は眉をひそめた。さっき既に甘えたのに、この意地悪な男はまだ彼女を困らせようとしている。本当にひどい。そこで直接冷たく鼻を鳴らした。「もう行かないわ!」
——'あなたが行ったら、私一人で行くわ!'
藤原徹は高倉海鈴の心の声を聞いて、思わず笑みを漏らした。優しく彼女の髪を撫でながら、「藤原奥様、私たちは今日の出し物の主役だよ。そう簡単に登場するわけにはいかないだろう?事態が大きくなってから行くのが丁度いいんだ」
「本当は9時まで待とうと思っていたんだけど、君が行きたくないなら仕方ないね。ゆっくり休んでいてくれ。私は先に行くよ」