第725章 真実が明らかに

「大長老」高倉海鈴は口を開いた。「山田さんがこの件を認めないのなら、直接証拠を出してください!」

医師会のメンバーは公衆の面前で録画を再生した。二十年前、山田莉央は松下さまの住居に駆け込み、必死に懇願し、命の恩義を盾に取って、松下さまに彼女と陸田汐のDNAを入れ替えさせ、藤原徹が彼女の息子であることを証明させた。

その後は、藤原明のことだった。

映像の中で山田莉央は妊娠を装い、松下さまに偽装を手伝わせ、さらに赤ん坊を連れてきて自分の子供のふりをした。その子供こそが藤原明だった。

映像は鮮明で、そこに映っているのは間違いなく若かりし頃の山田莉央で、否定の余地はなかった。

この時、皆はようやく松下さまの言っていたことがすべて真実だと気付いた。彼は当時、山田莉央への恩返しのために親子鑑定報告書を偽造し、藤原徹に二十年もの間、私生児という汚名を着せることになってしまった。

藤原徹は生まれてすぐに藤原俊介によってこっそりと山田莉央のもとへ運ばれ、その後、山田莉央は藤原徹を利用して地位を得た。陸田汐が子供を産めないのに対し、自分は藤原家の血筋を継いだと主張し、藤原徹を衆矢の的にし、陸田家から嫌われるようにしたのだ。

世間の目には、山田莉央は藤原明を非常に可愛がり、この子に少しの苦労もさせたくないように見えたが、裏では悪事に加担し、意図的にこの息子を堕落させ、ろくでなしにしようとしていた。もし藤原明が賢くなかったら、彼の人生は山田莉央によって台無しにされていただろう。

人々は目を丸くした。誰が想像できただろうか。山田莉央の名義上の二人の子供が、どちらも実子ではなかったとは。これは世間を揺るがす大事件だった!

常に陸田家に嫌われ、藤原家にも好かれなかった子供は、自分の実力だけを頼りに一歩一歩這い上がってきた。藤原徹が今日の地位を得るまでに、誰が彼の背後にある辛酸と苦痛を知っていただろうか。本来なら皆に愛されて育つはずの御曹司であり、陸田家の外孫であるはずだったのに、第三者によって二十年も苦しめられてきたのだ。

「松下さま、あなたは証拠を偽造し、医師会の名誉を汚し、藤原さんに冤罪を被らせました。私は正式に宣言します。あなたは医師会から除名されました!」