第729章 バラのデザイン図

藤原徹は地下室のドアを押し開け、ゆっくりと階段を下りていった。

高倉海鈴は彼の背中を見つめながら、そのドアを閉めた。すべての音が遮断され、二人の間の恩讐は藤原徹自身が解決すべきことだった。

二時間後、藤原徹がドアを開けて出てきた。濃い血の匂いが体に染み付き、黒いスーツには血痕が点々と見えた。彼は優雅にハンカチを取り出し、手についた血を拭い取った。

その後、椅子に座り、目を閉じて少し息を整えた。しばらくして再び目を開けると、瞳は薄い茶色に戻っていた。

この二時間、高倉海鈴はずっと外で待っていた。藤原徹がドアを開けた時になって初めて、山田莉央の叫び声が聞こえた。苦痛に満ちた狂気じみた叫び声が地下三階全体に響き渡った。

「そう簡単には死なせないよ」藤原徹は淡々と言った。「これは私が受けた苦痛の十分の一に過ぎない。これからもっと多くのことを味わってもらう」

その後、藤原徹は直接寝室に戻り、服を脱ぎ捨て、徹底的にシャワーを浴び、清潔な服に着替えた。体についていた血の匂いがようやく消えていった。

これが藤原徹が山田莉央に手を下した最初で最後の機会だった。山田莉央の血があまりにも汚れていて、もう二度と手を下す価値もない。これからは山田莉央は地下三階で生きる屍として苦しみ続けることになる。これこそが彼女への最高の罰だった。

……

東京、佐藤家の本邸。

百歳を超えた老人は依然として意気軒昂で、主席に座りお茶を飲んでいた。

佐藤健が前に進み出て、「お爺様、藤原家のことはご存知でしょう?藤原社長は本当に凄い方です。医師会の人々に証言してもらえるほどの人物です。油断できません。それに伊藤家のお嬢様が偽物の『千字壽』を持って誕生会に参加し、見破られたそうです。一方、高倉さんは本物を献上したとか」

佐藤の祖父は頷いたが、表情に変化は見られなかった。百年も生きてきた彼にとって、もはやどんなことも心を揺さぶることはなかった。

佐藤健は続けた。「鈴木薫が既に磁器瓶のデザイン画を送ってきました。その中からお気に入りのものを選んでいただけます。それと鈴木若旦那が、このデザイン画は高倉さんが描いたものだとおっしゃっていました」

佐藤の祖父はゆっくりと目を開いた。これには少し驚いた。あの二十歳前後の娘が、透かし彫りの磁器瓶をデザインできるとは。