第777章 海鈴は優しくて素直?

「伊藤仁美は自分で自分の首を絞めたようなものね。私は彼女と争うつもりはなかったのに、わざわざ私に敵対しようとしたから、こうなったのよ。今や東京中が彼女を笑い者にしているわ!」と高倉海鈴は軽蔑した口調で言った。

「彼女は君が冬島志津だと知っているのか?」と青山博之が尋ねた。

高倉海鈴は自信を持って答えた。「私はまだ正体を明かしていないわ。でも、私の絵を一枚見ただけで、会場中が驚嘆したのよ!」

「以前は油絵に興味がなかったはずだが、なぜ突然展覧会に参加することにしたんだ?」と青山博之は更に尋ねた。

青山博之にそう言われ、高倉海鈴は眉をひそめ、可愛らしく訴えた。「展覧会に行ったのは冬島志津先輩に会いたかったからよ。でも残念ながら…」

「??」青山博之は驚いて顎が外れそうになり、傍らの鈴木薫の瞳にも驚きの色が走った。二人は顔を見合わせ、呆然とした。