第812章 男女二人きりの密室

「でも、藤原奥様が男性が入ってきたのを見つけたら、大声で叫べば必ず誰かが助けに来るはずなのに、こんなに時間が経っても彼女の叫び声が聞こえないのは、もしかして……」

「男女二人きりで部屋にこんなに長くいるなんて、藤原奥様が嫌だったら非常ボタンを押せば、すぐに誰かが助けに来るはずなのに、もしかして彼女は自分から望んでいるの?」

人々はドアの前に集まり、ノックしたが、返事はなかった。

「もしかして藤原奥様と陸田康夫は……気持ち悪い!」

「早く開けなさい!開けないなら私たちが強行突破しますよ!香水交流会でこんなことをするなんて、陸田家と藤原社長の顔を全く考えていない!本当に恥ずかしい!」

騒ぎは大きくなり、数人の女性たちが小声でささやいていた。「藤原奥様はあの顔つきからして落ち着きのない女よ。陸田康夫を誘惑したのも彼女からだって聞いたわ!」