第895章 最高経営責任者は彼女?

高倉海鈴が目を覚ましたとき、藤原徹はすでに出勤していた。彼女は起き上がってから階下に降り、朝食を済ませた後、嵐エンターテインメントに向かい、責任者の木村江と面会した。

「木村さん、まずヘブンリーに行って、それから嵐エンタメに戻って関連業務を処理します」

木村江は恭しく答えた。「はい!社長、一つ報告したいことが…」

彼は少し躊躇した後、高倉海鈴は眉を上げて尋ねた。「どうしたの?」

「今朝、ある女性が会社に来まして、あなたの友人だと言っていました。彼女は自分が最高経営責任者だと思い込んでいるようで、説明しようとしましたが、全く聞く耳を持ちませんでした。彼女はすでにあなたより先にヘブンリー・エンターテインメントに向かいました」

高倉海鈴は不思議そうに尋ねた。「山下友希?それとも木村香織?」

木村江は慎重に考えてから、「お二人とも存じ上げておりますが、今日来た方は私の知らない方でした。しかも、自分の身分も明かしませんでした」

山下友希でもなく、木村香織でもなく、木村江の知らない人物。高倉海鈴はしばらく考えても誰なのか思い浮かばなかった。「まあいいわ、とりあえず様子を見に行きましょう」

その後、高倉海鈴は席を立ち、車でヘブンリー・エンターテインメントに向かった。彼女は藤原徹がどんなサプライズを用意しているのか、そして自称最高経営責任者の女性が一体誰なのか、とても気になっていた。

一時間前、夏目家。

「小夜子、君は海外にいた時、嵐エンタメの木村さんと親友だったって本当かい?」夏目城は急いで来て、興奮した様子で尋ねた。

夏目小夜子はソファに座ってお茶を飲みながら、少し躊躇いがちに答えた。「実は木村さんとはそれほど親しくありませんが、嵐エンタメの裏の社長とは仲が良いんです」

誰も嵐エンタメの裏の社長が誰なのか知らないため、他人は確認のしようがなく、当然彼女が嘘をついていることも分からない。嵐エンターテインメントとの関係を築けさえすれば、必ず国内で優遇されるはずだった。

夏目城と夏目の祖母は喜色満面で尋ねた。「小夜子、藤原社長傘下のヘブンリー・エンターテインメントについても知っているのかい?」