第912章 社長の妻を守る

「嵐エンターテインメントは確かに母が私に残してくれた財産です。でも、夏目さまと祖母は何十年も前に離婚して、その時に財産分与も済ませています。それ以来、母は夏目家に戻ることはなく、ずっと祖母と暮らしてきました。母は祖母からもらったお金で嵐エンターテインメントを設立し、今では私に残してくれました。情理から言っても、会社は夏目家とは何の関係もありません。私も嵐エンターテインメントをあなたに分けてあげたいのですが、天国の母はきっと同意しないでしょう」

「あなたと祖母が離婚してから、もう母とは付き合いがなくなり、母が亡くなるまであなたに会うことはありませんでした。母は心に恨みを持っていたのです。だから、嵐エンターテインメントの株式をあなたに譲渡することは、母の意思に反することになります。そして今や両社は合併しており、この株式には藤原徹の分も含まれているので、私には決める権限がありません」