「夏目小夜子、あなたの小細工が私の目を欺けると思っているの?田中川を唆していた時、私はちょうど出くわして録音していたわ。それに、録音がなくても証拠は見つけられるわよ。やましいことをすれば、必ずばれるものよ!」
「表向きは海鈴と仲が良いふりをして、裏では毒を盛るなんて。小娘のくせに、表裏のある態度を取るなんて!あなたはゴミよ、ゴミ箱に捨てられるべきよ。田中川のようなバカみたいに、あなたの見た目に惑わされる人ばかりじゃないわ。彼がバカだからって、他の人もバカだと思わないでちょうだい!」
バンという大きな音とともに、写真と資料が夏目小夜子の目の前に投げつけられた。
会場は静まり返り、来賓たちは震え上がって、一斉に夏目小夜子を見つめた。皆も夏目小夜子が毒を盛ったことに関係があるのではないかと疑っていた。というのも、田中川が追い出された時、夏目小夜子が彼を陥れたと大声で叫んでいたからだ。結局、夏目小夜子が泣きながら弁明し、その件は過ぎ去ったのだが、今、西村若旦那が証拠を手に入れたのだ。