第958章 空降デザイナー

「私の体内の毒は海鈴の血でしか解毒できないが、完全に毒を除去することはできない。これほど長い時間が経っても顕著な効果は見られず、ただ毒が発作を起こさないようにするだけだ。しかし、海鈴はどんどん憔悴していくので、私は解毒を諦めることにした。だが、海鈴にはこのことを知らせるわけにはいかない」

藤原徹はゆっくりと目を上げ、青山博之を見つめる瞳に笑みを浮かべた。「私が青山さんにこのことを打ち明けたのは、青山さんが何事においても海鈴のことを第一に考えてくれることを知っているからです。だから必ず私の秘密を守ってくれるでしょう。海鈴には、あなたたち兄たちがいて本当に幸せですね」

青山博之は彼の意図を理解し、頷いて言った。「分かりました。秘密は守ります。ですが、本当にT市に行くつもりですか?実は私も海鈴をしっかり守れますから、あなたが無理して付いてくる必要はないんですよ」