趙鯤鵬、趙は大姓で、鯤鵬という二文字は組み合わせても分けても非常に気骨のある名前だが、そんな名前の持ち主は多くの女性が自分の容姿を恥じるほどの美しい顔立ちを持っていた。家族には女性が多く、典型的な陰盛陽衰の家庭で、彼は幼い頃から女性たちに囲まれて育った。溺愛の限りを尽くす両親に甘やかされ守られて育ったが、女性のような容姿や、長老たちに女の子のように育てられたことで女々しくなることはなかった。幼い頃から喧嘩が好きで、拳で屋敷内の同年代の子供たちに大人になってからも通用する道理を教えていた。
山に籠もった達人の師匠から十数年間詠春拳を学び、苦労も多かった。炉火純青とまでは言えないが、軍隊での特別訓練を受けていなくても、彼を女みたいだと言う馬鹿者を五、六人まとめて簡単に片付けることができた。軍隊に入り、尖兵となった。ある時、南京軍区のある部隊との交流演習で、南京軍区で有名な強者を土俵で打ち倒し、一戦で名を上げ、「熊ちゃん」というあだ名を得た。