第1章 北方の龍蛇が江を渡る_4

「本当に親孝行だな」吳煌は口をゆがめて言った。徐北禪はいつも現実的で、こんな話をしても彼は驚かなかった。ただ、談家のお嬢さんを徐家に騙し込むなんて、そう簡単なことではない。

「俺に自信がないのか？」徐北禪は大笑いした。

「お前のやる気を削ぐわけじゃないが、本当にお前には自信が持てないんだ」吳煌は追い打ちをかけるように言った。

「ずいぶん酸っぱい顔だな」徐北禪は目まぐるしく手の中のzippoライターを弄んでいた。長い間タバコを吸っていなかったので油を補充しておらず、このzippoはもう火がつかなくなっていた。

「お前がこの時期に南京に来たのはラッキーだったな。ちょうど一つの話を聞いたところだ。ある若い東北の男が、肩に担いだ賢い頭脳と手に持った二本の刀で急速に台頭したらしい。その速さは舌を巻くほどだと言われている。内情の詳細は知らないが、最近南京の界隈ではこの話題で持ちきりだ。俺は江蘇の人間だし、ここは南京の縄張りだ。今の最大の願いは、お前たち京津サークルの不良な坊ちゃんたちが彼と対決して、二つの虎が争うような状況になることだ。そうすれば俺たちは椅子に座ってひまわりの種をかじりながら対岸の火事を眺め、最終的には地元の江蘇の人間が漁夫の利を得ることができる」吳煌は微笑みながら冗談めかして言った。

「それは強く批判されるべき狭隘な地域意識だな」徐北禪は冗談めかして言った。

吳煌は聞こえないふりをして、一笑に付した。異なる省の間だけでなく、蘇南と蘇北の争いだけを見ても、激化しているとは言いにくいが、あらゆるレベルで決して収まったことはない。

「談姉、あの男は皆さんが言うところの、最も豚を装って虎を食らう金儲け機械なの？」アウディTTの助手席に座っている竇顥はPSPで遊びながら、不服そうな顔で尋ねた。