第55章 一刀
「白馬探花の陳慶之はどなたか?」郭割虜は半分ほど酒を飲み干した後も、依然として平然と椅子に座り、陳二狗たちが急に手を下すことを少しも恐れていなかった。
陳象爻に唐朝の李百藥が著した『北齊書』の中の『樊遜伝』について話し終えたばかりの陳慶之は、階段を降りてきて郭割虜の質問を聞き、特に細長い冷たい目を細めて、「私だ」と答えた。
「南京でもあなたの事績を聞いていた。名家の出身で、博学多識、内モンゴルの頭目である梟雄と一対一で戦い、魏様は生前、あなたと李夸父が三國の乱世に生まれていたら、西涼の錦の馬超のような風流人物になっていただろうと言っていた。私はずっと納得できなかった。あなたを通じて孫満弓がどのような気迫溢れる梟雄なのかを見極めたい。これが今日の私の主な目的だ」郭割虜は口を拭い、酒の跡を拭き取り、少し頭を回して陳慶之を見つめた。