第20章 魔の災いが突如現れる

黎明。

絢爛たる朝焼けが東方からゆっくりと降り注ぎ、まるで黒石城全体に金色の層を纏わせたかのようだった。

方夕は自分の屋敷に戻り、着替えを済ませた。

「陸蛇は取るに足らなかったが、死ぬ前に漏らした情報は注目に値する……」

昨夜、符術の力を借りて、彼は紅蛇武館の上層部を易々と抹殺したが、外部の弟子たちはまだ何も知らなかった。

そして、陸蛇を利用して、自分の実験の一つも完了させた。

「真力武者が下品法器と対峙しても、やはり不利な立場に置かれる……骨格は一般人よりやや硬いものの、いくつかの堅い骨を避けて急所を狙えば、容易く以弱勝強が可能だ!」

昨夜、飛劍の術を目にした時の陸蛇の驚愕の表情を思い出し、方夕は今でも非常に面白く感じていた。

……

朝食を済ませた後、方夕は白雲武館へ向かった。

「師弟よ、やっと来たのね」

慕縹緲は武館の入り口で方夕を見つけるや否や、目を輝かせ、方夕の手を取って内院へと向かった。

「師姉、何かあったのですか?」

方夕は周囲の弟子たちの驚いた視線を感じながら、さりげなく慕縹緲の手から自分の手を離した。

「父の親友が来たの。郝おじさんも武館主なの……」

慕縹緲は簡潔に説明した。

「なるほど、慕蒼龍に客人が来て、私に場を持たせたいということか」

方夕は大体理解し、拒否せずに慕縹緲について客間へ入った。

「ハハハ、こちらが姪御か?ますます綺麗に育ったな」

大広間では、慕蒼龍と赤ら顔の大漢が主客の席に着いていた。

その赤ら顔の大漢は慕縹緲を見るなり目を輝かせ、傍らの赤い袍を着た青年に命じた。「早く挨拶しろ」

「郝嵐と申します。慕お嬢さんにお目にかかれて光栄です」

青年は恐らく郝館長の甥で、穏やかな笑みを浮かべながら前に進み出た。

「私の甥は天賦の才があり、まだ十九歳だが、すでに気血三変の境地に達している……」

郝館長は大笑いした。

「ハハハ……私のこの出来の悪い娘は、二十歳になってようやく気血三変の境地に達したところだ」

慕蒼龍は平然とお茶を一口飲み、方夕を指さして言った。「しかし、この弟子は優秀だ。今年十七歳で、すでに気血三変だ」

「なんだと?」

郝嵐の表情が一瞬にして変わり、まるで刀で切られたかのようだった。