第32章 お前が夢見すぎだ

生活指導部。

F組の全ての担当教師が事態を知り、今この瞬間、雨宮由衣の試験用紙を囲んで検討していた。外には見物に来た生徒たちが集まっていた。

ある教師が口を開いた。「今回の総合社会は問題が難しかったものの、範囲外ではありませんでした。以前に復習した問題ばかりです。我が清風高校には優秀な生徒が多く、290点以上の高得点を取った生徒は雨宮由衣だけではありません。しかし問題は...この成績が雨宮由衣に取れるはずがないということです。」

「それに、国語でこんな高得点を取るのはおかしいでしょう?たとえ作文が採点者の目に留まったとしても、読解問題で満点を取るなんてありえないはずです。」別の教師も疑問を投げかけた。

国語教師の富岡恭も今や疑わしげな表情を浮かべていた。「雨宮由衣さん、私は先ほどあなたの答案を詳しく見ましたが、最初の読解問題の解答が模範解答と一字一句同じなのですが、これについて説明できますか?」

「その問題は見たことがあって、暗記しただけです。XX年のA県六校連盟高校三年生合同テストの二番目の読解問題ですよ!」由衣は素早く答えた。

由衣がその問題の出典を即座に言い当てたのを聞いて、富岡恭の目が輝いた。「その通りです。確かにその問題の出典はそこです。あの試験は難しすぎて範囲外だったので、私も他のクラスの先生方も生徒たちに習得を求めませんでした。ただ、この読解問題は良問だったので、今回採用したんです。君という子は、そんな試験問題まで解いていたのか?」

読解問題というのは、彼らは解き方を教えるだけで、生徒に問題を暗記させることはない。結局のところ、センター試験で同じ問題が出ることはないのだから。

それなのに、由衣は読解問題の答えまで暗記していたというのか?

三上周威は退屈そうにあくびをしながら、手を挙げて口を挟んだ。「質問があるんですが、試験問題が漏洩していたなら、なぜ僕の数学だけが零点なんですか?」

二宮晴香は苛立たしげに言った。「数学の問題は手に入らなかったんでしょう!普通、誰が読解問題なんて暗記するの?しかも先生方が習得を求めなかった試験問題をよ。とにかく、今の問題は彼女が不正行為をしたということ。これは逃れられない事実よ!」