電話を切った後、雨宮由衣はその投稿を開いて確認してみると、やはり予想通り、蘇我隼樹が直接出て来てヒーロー然として助けていた。
沢田夢子は助かったものの、江川麗子は皆の笑い者になってしまった。今や学校中が、彼女が男を想い慕って失敗し、親友とまで喧嘩して嫉妬し合ったことを知ることとなった……
ふん、好きな人のためとはよく言うものだ。両家で決めた婚約まで完全に無かったことにしようとするなんて。
すぐにドアをノックする音が聞こえた。
「はい!」雨宮由衣は立ち上がり、ドアを開けに行った。
「雨宮さ……」ドアを開けた人を見て、江川麗子は突然言葉を失った。
「入って」
その馴染みのある声を聞いて、江川麗子はさらに信じられない表情を浮かべた。「あ、あなた...本当に雨宮由衣?」
確か雨宮由衣は一人暮らしで、この寮には彼女以外誰もいないはずだった。