第198章 あなたのことが恋しくて眠れない

寝る前に、雨宮由衣は庄司輝弥にメールを送った。

「あなた、すっごく会いたいの。毎日あなたのことを考えて眠れないの。先生に通学許可をもらおうと思うの。寮に住むのやめて。だから、来週の金曜日から、直接家に帰ることになるの!嬉しい?」

今、秋山若葉が深都から戻ってきたので、庄司輝弥との関係をもっと深めなければならないと思った。それに、大学入試も近いし、ちょうど庄司輝弥に数学を教えてもらえるいい機会だと考えた。一石二鳥だ。

数秒後、携帯が鳴り、庄司輝弥からの返信は一文字だけだった:「うん」

雨宮由衣は布団の中で密かに笑った。あぁ、庄司輝弥が彼女のこういう甘ったるいメールを見たときの表情が見てみたい。

いつも冷静に返信してくる彼が本当に感心だ。

「そうそう!白はお家にいる?白と遊びたいな!」雨宮由衣はわざと追加で聞いてみた。

あぁ、白に会いたい!

白が錦園にいるかどうか分からないけど。

今度は返信が来るまでにかなり時間がかかった:「いる」

よかった!

自分が育てた白菜と白のことを思うと、雨宮由衣は錦園に戻ることにそれほど抵抗を感じなくなった。

深夜、錦園にて。

井上和馬は突然当主に呼ばれ、意味不明な任務を言い渡された。

庄司輝弥:「スルートを連れ戻してこい」

「え?」井上和馬は呆然とした。

こんな夜中に、山でスルートを探せというのか?

あいつは今頃どこかで狩りをしているだろう。どこを探せばいいんだ!

こんな暗い夜に、野獣に食われても知らないぞ?

「他に何か?」庄司輝弥が顔を上げ、彼を一瞥した。

「いいえ!何も!今すぐ探しに行きます...」

「金曜日までに見つけろ」

「はい...」井上和馬は渋々と命令を受け、部下を連れて山中を探し回ることになった。

なぜこんなに急いでスルートを探さなければならないのか、さっぱり分からない。

しかも金曜日までに必ず見つけろだなんて?

翌朝。

雨宮由衣はいつものように大きな化粧ポーチを取り出した。

取り出してから気づいた。昨夜、正体がばれてしまったんだ。

だから、化粧するかしないか?

今さら化粧しても隠し切れないけど、かといって化粧しないのも困る。

雨宮由衣が悩んでいると、突然下階から騒がしい声が聞こえてきた。かすかに自分の名前も聞こえる。