第181章 私はあなたを待っていた

雨宮由衣は寮に戻る途中、小さな林を通り過ぎる時、突然目の前に人影が現れ、彼女は死ぬほど驚いた。

彼女の最初の反応は顔を触ることだった。

今回は慎重を期して、深夜だったが、以前の庄司夏のような事態を避けるため、車の中で既にホラー映画に出られそうなメイクを施していた。完璧な対策だ。

向こう側の人は彼女を見つけると、彼女以上に驚いた様子だった。

相手が息を飲む音が、はっきりと聞こえた。

数歩前に進み、街灯の光の下で、雨宮由衣は相手の顔を確認した。

「庄司夏……？」

こいつ、こんな深夜に寝ないでここで何してるんだ？

前回の必殺技の後、こいつは異常なほど大人しくなり、本人も忙しそうで、この数日間はほとんど会話もなく、あの超大型爆弾のことをすっかり忘れかけていた。

「こんな遅くまでまだ起きてるの？」雨宮由衣は何気なく尋ねた。