第219章 振られた気分

無事に二時間の特別時間を得た雨宮由衣は、満足して自室に戻り、問題演習を続けた。

時が流れるように過ぎ、雨宮由衣は知識の海に夢中になっているうちに、気がつけば夜更けになっていた。

うん、学費を払う時間だ……

さっき「取引成立」と言った時は意気揚々としていたが、いざこの時になると少し怖気づいてしまう。

特に今回、庄司輝弥が自分は普通の男だと言ったことが気になって……

もたもたとお風呂を済ませても、庄司輝弥からは催促の連絡もなく、雨宮由衣は焦りながらも彼を探しに行くのは嫌で、結局電話をかけることにした。

その時、書斎では。

井上和馬が定例の業務報告をしていた。

しばらくして、黒川尊も入ってきた。「九様、お呼びでしょうか!」

まだ九様の就寝時間ではないはずなのに、なぜこんなに早く呼ばれたのだろう?