某高級マンション。
三上真之介が真実を語り謝罪した瞬間、それまで緊張のあまり息をするのも忘れていた桧山春樹は興奮して飛び上がった。「七日って言ったのが本当に七日だったなんて!一日の狂いもなく!すごすぎる!雨宮白がどうやってあなたの潔白を証明するのか全然わからなかったけど、まさか三上真之介に直接真実を語らせるなんて!これであなたは完全に後顧の憂いがなくなったね!
今回は本当に正しい賭けだったよ!あの会議で彼を信じて支持したのは正解だった!
周藤史良のあのクソ野郎、よく考えたもんだ。あなたの失脚を願って、自分の部下を押し上げようとしてたけど、もう調子に乗れないだろうな...」
桧山春樹が興奮して話している最中、橋本羽がずっと上の空で携帯を見つめているのに気づき、声をかけた。「羽...羽?何考えてるの?見たでしょ?三上真之介が公の場で謝罪したんだよ!」
「見たよ」橋本羽は相変わらず携帯をいじっていた。
桧山春樹はその様子を見て考え込んだ。「もしかして雨宮白からの電話を待ってるの?そうだよね...これだけ日が経ってるのに...一度も電話してこないなんて...私から電話してみようか...」
桧山春樹はそう言って電話をかけた。
しかし、携帯は長く鳴り続けても誰も出なかった。
「なんで出ないんだろう?」桧山春樹は不思議そうにつぶやいた。
桧山春樹が切ろうとした瞬間、ようやく電話が繋がり、とても甘くて柔らかい声が聞こえてきた——「もしもし?どちら様ですか?」
桧山春樹は突然の女性の声に一瞬うっとりとした後、困惑した表情を浮かべた。「えっと、あなたは...」
近くにいた橋本羽も、電話の向こうが女性だということがかすかに聞こえ、眉をひそめて尋ねた。「番号を間違えたの?」
桧山春樹は携帯を見つめ直した。「いや、違うけど...もしかして私が押し間違えた?なんで女性が出るの?羽、もう一度番号を見せて!」
その時、錦園にて。
雨宮由衣は生配信を見終わって、お風呂に入ろうと着替えを探していたところ、携帯の着信音が鳴った。
知らない番号だったので深く考えずに出たが、電話に出た途端、向こうから聞こえてきた少し聞き覚えのある声は、まさかの桧山春樹だった。
しまった...