第281章 あなたと一緒にお祝いしたい

「彼女が私に対して拗ねている」という口調は一体どういうことなの!

彼女の家の神様のように高貴で世俗を超越した社長が……拗ねる……なんて……?

秘書は自分の価値観が完全に崩壊したように感じた。

時間が少しずつ過ぎ、気づけば雨宮由衣は外で2時間以上も待っていた。

秘書は時々会議室の中を覗き込み、明らかに困った表情で「さっき井上補佐は、もうすぐ終わると言っていたのに、なぜこんなに長引いているんでしょう……申し訳ありません、雨宮様……おそらく会議で何か問題が発生したのかもしれません……」

社長は本当に拗ねているのかもしれない。前回と比べると、会議を早めに切り上げて出てきたのに……

「大丈夫です。仕事が大事ですから。あなたも自分の仕事に戻ってください。ここで私に付き合う必要はありません」雨宮由衣は優しく言った。