第249章 アイドルの意味

雨宮由衣は三上真之介のSNSを一晩中見ていたが、翌朝、江川麗子からの電話で目が覚めた。

電話を切ってから30分後、雨宮由衣は裁判所の入り口に到着した。

おしゃれな服装の若い男女が集まっており、多くの人々がプラカードを掲げていた。プラカードには「橋本羽は冤罪だ」「橋本羽は無罪」「デマを流すな」などの文字が書かれていた。

その他にも、大勢のメディアや記者が裁判所の外で待機していた。

前世では、橋本羽の児童への性的虐待事件は社会に極めて悪質な影響を及ぼし、その詳細な経緯を雨宮由衣は今でも覚えている。

被害者の両親は今日、橋本羽を裁判所に訴えるはずだ。

「由衣姉、来てたんだ」カジュアルな服装の風間川治が、群衆の中から出てきて雨宮由衣の前に立った。

「うん」雨宮由衣は頷いた。「さっき麗子から電話があって」