「ふん!」庄司雅貴は冷たく一喝した。「井上常郎、この状況でまだ井上和馬を弁護するつもりか。この件は井上家全体が関係している!」
井上常郎はその場で顔を赤らめて反論した。「私の息子のことは、私が一番よく分かっています!」
「分かっているだって?」庄司雅貴は茶色い書類封筒を'サッ'と井上常郎の足元に投げつけた。
井上常郎は急いで身を屈め、封筒を拾い上げ、丁寧に中身を確認した。
一枚めくるごとに、井上常郎の表情は暗くなっていき、書類をすべて読み終えた時には、死人のように青ざめ、よろめきながら数歩後退し、信じられない様子で井上和馬を見つめた。
「和馬...お前...お前...」井上常郎の固い信念が、ついに揺らいだ。
井上和馬が冤罪であるかどうかに関わらず、この書類の証拠は偽りようがない。今この場で庄司輝弥が井上和馬のために弁護したところで、もはや手遅れだった...