第455章 オーディション

橋本羽を見送った後、雨宮由衣は宮本旭が送ってきた音声メッセージを思い出して苦笑いを浮かべた。

あいつの口は毒すぎるわ。占い師にでもなればいいのに。適当に言っているのにこんなに当たるなんて、私の商売敵になりそうじゃない!

その後の二日間、雨宮由衣は周藤史良の動向に注意を払いながら、等々力辰と脚本の理解を深めることに力を入れた。

周藤史良の方は特に動きがないようで、一体何を考えているのかわからなかった。

宮本旭のやつはいつもの派手なやり方で、人探しを始めたかと思えば、ファンを動員し、周りの全ての人を巻き込んで、今では業界中が知るところとなっていた。

普段からアパートには女装では出入りしていないし、たまに出入りする時もマスクをしているから、あの日店で見かけた人がいたとしても、私を見つけ出すのは難しいはず。